製造プロセスにおける意思決定と最適化に関する研究

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ピッキング作業を対象とした画像処理システム設計の自動化

実験装置.ロボットアームの先端に照明とカメラを固定してある.環境の不確かさを考慮した上で最適化を行うために,実機を用いた実験ベース最適化の手法を用いている.

画像処理システムは多くの生産システムにおいて導入され,生産作業の自動化に役立っています.画像処理システムの設計には,照明の調整,カメラ位置の調整,画像処理アルゴリズムの選択とその内部パラメタの調整など,多くのものを決定する必要があります.これらの設計要素は互いに影響しあうため,うまく調整することは困難であり,専門家でも時間のかかる問題です.

そこで,画像処理システム設計を最適化問題として定式化し,自動的に設計するシステムの構築を行っています.具体的には,照明やカメラ位置などの実環境における不確かさを取り扱うために実験ベース最適化手法を用いて,解を求めるシステムを構築しています.

 ○過去の研究○

製鉄業における生産スケジュールの意思決定プロセスのモデル化最適化

製鉄所では,高炉から最終的に製品を製造するいくつかの工場まで,いかにして鉄を流すかのスケジューリングを日々行う必要があります.この結果は,鉄鋼の生産性に大きく影響する重要なスケジューリングです.実際には,各部署の責任者が日々会議をしてこれを決定しています.

しかしながら,どのような基準で日々のスケジューリングが決定されているかは明らかではありませんでした.そこで,心理学的なインタビューと会議の分析を行い,経済学的手法を用いた意思決定のモデル化を行いました.その結果,鉄を効率的に流すことだけではなく,各部署間の公平性等を考慮しながら鉄鋼の生産スケジュールが決められていることが明らかになりました.

 製鉄業における連続鋳造過程のスケジュール最適化

 製鉄所における連続鋳造過程とは,溶鋼が冷やされ,一定の形に固められていく過程です.このとき,求められる形,重量,品質を考慮しながら固められてゆきます.そのため,どのような順番で固めてゆくかが生産効率に影響するため,生産順序のスケジューリングが重要となります.

そこで,連続鋳造過程におけるスケジューリングの問題を,各注文を満たすように形を決定する問題を最短経路問題として解法し,また,注文をどのような順番で鋳造するかを決定する問題をメタヒューリスティクス的手法によって解法する2段階の最適化問題として定式化しました.その結果,効率よく鋳造できる解を発見できるようになりました.

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