機能分化を伴う群ロボット協調作業システム

本研究では,複数台の移動ロボットが,動的な環境において機能を適応的に分化させながら, 協調して作業を行うシステムの実現を目指している(Fig.1). 作業者や障害物が多数存在する環境で大型物体を目的位置まで移動させるためには, 必要な機能(タスク)が作業の進行にしたがって様々に変化する(周辺監視,障害物の除去, 物体のハンドリングなど).そのため,ここでは一定時間毎に,(1)タスクの抽出と割り当て, (2)タスク毎の動作計画,を繰り返すことで動的な環境変化に対応する実時間動作計画の枠組みを 提案する. (1)では,オブジェクト指向に基づき機能を記述したテンプレート群にセンサ情報を入力して 必要なタスクインスタンスを生成し,優先度を考慮して割り当てる(線形計画法を利用) アーキテクチャを提案し,シミュレーションにより有効性を示した(Fig.2, 文献1)). (2)として特に周辺監視タスクについて研究を進めた.監視の必要な領域をロボットの センシングエリアと対象物の動作を考慮して導出し分担する“協調センシング戦略”を提案し, シミュレーションにより有効性を示した(Fig.3,文献2)).その他,物体のハンドリングタスク についても扱っている(文献3)).現在は,Fig.4に示す全方向移動ロボット(ZEN)を用いて, 作業の実現を目指している.

Keywords: Multiple mobile robots, Cooperative transportation, Real-time task-assignment, Linear programming method

参考文献

  1. 宮田なつき, 他: 移動ロボット協調作業のための作業割り当て手法, 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会 ’99講演論文集(by CD-ROM), 1P1-30-039, 東京, June 1999.
  2. 横井真浩, 他: 複数台ロボットによる搬送作業のための協調センシング, 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会 ’99講演論文集(by CD-ROM), 2P2-45-041, 東京, June 1999.
  3. 宮田なつき,他: 車輪型移動ロボット群による持ち替え協調搬送の実現, 日本機械学会論文集C編65巻631号,1021-1028, March 1999.

Fig. 1 Robots in cooperation

(a) Initial state (b) Removing obstacles

Fig. 2 Simulation results (Task assignment)

(a) Initial state (b) After moving for a while

Fig. 3 Simulation Results (Cooperative Sensing)

 

Fig. 4 A Robot for experiments