移動ロボットのためのハイブリッド電力供給システム

電力システムは,移動ロボットの持つ複数の要求仕様を同時に満たすために重要な要素である.電源にはタスクを達成するのに必要十分なエネルギーを蓄積しておく必要がある.しかし残念なことにロボットシステムについての従来の研究はそれ以外の領域に集中していた.さらに現状では搭載型のバッテリーは重く,充電時間が大変長いのに比べて使用可能な時間が短過ぎるという欠点がある.電気自動車のためにバッテリー技術が開発されたものの,経済的に手頃で,かつ移動ロボットに搭載可能なサイズのバッテリーは無い.一方,電源コードを用いて外部電源からロボットに電力を供給することもできる.この場合十分な量の電力供給が可能となるが,コードの長さによって作業可能領域が制限され効率が悪い.

そこで本研究では,“ハイブリッド型電源供給システム”を提案した.基本的なコンセプトは,搭載型のバッテリーと住居用電源の両方を利用するというものである.電気のコンセントが利用できるため,ロボットはタスク達成のための電力消費に際してはコンセントにコードをつなぐことにする.小型の搭載型バッテリーは,ロボットがコンセントを探している間の電力供給にのみ用い,ロボットがコンセントにつながっている間に充電する.ひとつのコンセントに対する作業領域はコードの長さによって制限され,全体としてアクセス可能な領域は,ロボットが新たなコンセントを見つけそこへ行く時に拡大する.このようにしてロボットはコンセントを見つけられる限り作業をし続ける.提案手法を図1に示すプロトタイプロボットにより実現した.図2のようにロボットは作業をする.

Keywords: Power Supply, Battery Problems, Service Robot

参考文献

  1. Chatchai Wattanasin, et al.: A Hybrid Technique to Supply Indoor Service Robots, In Proc. the 1998 IEEE Int. Conf. on Robotics and Automation, Leuven, Belgium, May 1998 (to appear).

 

         

Fig. 1 Prototype HYPOS System                 Fig. 2 Image of HYPOS Concept