移動ロボット群による掃引作業
ここでは,与えられた領域を覆い尽くす“掃引作業
(Fig.1)”を,移動ロボット群により遂行するための動作計画手法を提案する.この掃引作業は,清掃や塗装,芝刈り作業,物体探索作業等幅広い適用範囲が存在し,非常に重要である.この作業に対する従来の研究は,センサ入力に応じたロボットの反射行動のみに基づく方法論がほとんどであったが,掃引する作業領域が複雑化するにつれて,作業達成効率が著しく低下するという短所があった.本研究では,事前に与えられた環境モデルに基づきオフラインで掃引経路を計画し,実際の走行時に存在する地図誤差やロボット走行誤差の吸収を実時間制御で補うアプローチを採る.これにより,作業達成効率と誤差への対応という二つの問題の解決が可能となる.前者の経路生成では,地図情報に基づき,2次元平面として表現されている目標状態を,掃引対象領域の骨格線・輪郭線を平行移動して得られる曲線群から構成される1次元曲線分集合に変換する.その線分長に基づきロボット毎の作業量の分担を行う(Fig.2).後者の実時間制御では,グラフ理論におけるスタッカークレーン問題の適用による経路再構成(Fig.3)と,経路に対する環境モデル更新情報(この壁に沿って走行している等の情報)の組み入れ(Fig.4)により,問題の解決を図っている.上記のシステムをホロノミック移動ロボットに実装し,提案手法の有効性を実証した.Keywords
: 掃引作業,計画,複数移動ロボット系参考文献
Fig. 1 A sweeping motion Fig. 2 Planned path for each robot
Fig. 3 A sweeping task in unknown environments Fig. 4 Realized path for real environments