我々は
1989年から移動ロボット群の協調手法の研究を行ってきた.このシステムはロボット間の協調により高度な作業の実現が可能であるが,一般的な作業実現を可能とするアーキテクチャの構成が難しい.我々は,実用的な移動ロボット群システムとは,各ロボットが程々に有している知能に基づいた大まかな計画立案と,作業遂行時における実時間制御の両者を統合したものになると考えている.我々はこれをDwarf Intelligenceと呼んでいる.実現するべき作業として,ロボットの「移動」機能に着目した作業分類を行い,「作業仕様の次元(点到達作業か面掃引作業か)」と「作業を実現する回数(単独か繰り返しか)」という2つの項目を考えた.各項目を2種類ずつに分類すると,2×2=4種類の作業が考えられる.Table 1に各カテゴリーの特徴的な作業の例を示す.最終的には,それら4種類の作業の各々とそれらが融合された作業を実現できる移動ロボット群システムの設計が目標である.具体的には,「ロバストな掃引作業計画手法・実時間制御法の設計」,「繰り返し搬送作業における自律的形態形成の学習法」,「協調搬送時におけるロボットの自律的作業分担法の設計」という3つのテーマについて研究を進めている.このうち前2つは上記4つのカテゴリーの2つを意味し,最後のテーマは複数種類のタスクが融合されて与えられた際の解決法について考察しているものである.参考文献
Table 1 Classification of Robot Tasks
One-time |
Iterative |
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Point-reaching |
Motion-planning |
Iterative transportation
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Region-sweeping |
Sweeping |
Collecting samples
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