Cooperative robots −ロボットの協調

 常に状況が変化する作業場における作業,人間の入り込めない環境における作業など,ロボットによる作業の自動化が要請される世界は幅広い.「複数移動ロボットの協調」という言葉がロボット界のキーワードのひとつとなって久しいが,本研究グループでは,多数台のロボットが共通の対象物を操作する場合に必要となる計画・センシング・制御の問題を取り扱っている.

● 協調センシングを用いたロボット群による対象物操作 (Fig. 1)

協調搬送に移動ロボットを使う意義は,対象物や環境に応じて群構成を変化させられることであると我々は考える.移動ロボットの持つ位置誤差によって破綻しないセンシング戦略も要求される.本研究では,未知対象物を操作するための接触点の選び方,対象物同定の方法,力センサによって得られる接触点の拘束条件の利用法に関する研究を行っている.

● 道具を用いた移動ロボットによる物体操作計画 (Fig. 2)

 多数個の対象物を扱う場合,複数の対象物を同時に扱うことが可能であれば,作業の効率も向上する.この動機づけのもとに,移動ロボットに汎用エンドイフェクタである道具を持たせ,操作を行うことを議論している.棒を用いた場合,紐を用いた場合のそれぞれについて,効率的な操作計画法を考案した.

● 2台の脚ロボットによる搬送制御 (Fig. 3)

本研究は,複数ロボットによる分散的協調の問題と,段差・不整地環境にも対応するための脚型ロボットの制御の問題を複合したものとして位置づけられる.不整地歩行による振動などを考慮し,センシングおよび動作戦略を離散的なものに設定し,ロボット相互間の明示的通信を行うことなく,搬送作業を達成する研究を行っている.

Fig. 1 Cooperative Robots with Sensing
     
Fig. 2 Cooperative Robots with a Tool         Fig. 3 Cooperative Legged Robots