自律分散型多脚歩行ロボットシステム
(湯浅助教授・新井教授)

自律分散型多脚歩行ロボット(NEXUS)(動画:MPEG)
グラフ上における波動の分岐現象(動画:MPEG)
耐故障性アルゴリズムのシミュレーション 故障前 故障後(動画:MPEG)
6脚歩行ロボットのシミュレーション(動画:MPEG)

本研究では,生物の歩行パターン発現機構(CPG: Central Pattern Generator, Fig.1)を模倣した自律分散型多脚歩行ロボットシステム(ADMRS: Autonomous Decentralized Multi-Legged Robot System, Fig.2)の開発を行っている.このロボットシステムは,各脚を自律的なロボットとし,隣接の脚間で局所的な通信を行うことで,システム全体として調和の取れた歩行を実現する.その構造から任意の脚数でロボットシステムが構成でき,さらに高い耐故障性,メンテナンスの容易さなどの特徴を持つ(Fig. 3).

これまでの研究で,ADMRSに適したCPGの数理モデルを開発した1).これは振動子ネットワーク上の固有振動モードを歩行パターンに対応させるものであり,目標歩行速度に対応する振動エネルギーを入力としてモードの分岐を起こすことができる.これにより,脚数の拡縮が自由にでき,かつ脚数に応じた歩行パターンを車のギアのように切り替えることができるようになる.

また,ロボットの構造の変化や路面状況などの環境の変化に適応して歩行パターンを変化させる適応アルゴリズムの研究も行っている(Fig. 4).この中で,脚の故障を消費エネルギ−の変化で評価して歩行パターンを変化させる耐故障性アルゴリズムを提案し,物理シミュレーションによりその有効性を確認した2)Fig. 5,6).

  Keywords: Autonomous Decentralized System, Multi-Legged Robot, CPG, Gait, Fault-Tolerance

References

Shinkichi Inagaki, Hideo Yuasa, Tamio Arai: “CPG Model for an Autonomous Decentralized Multilegged Robot,” The 4th IFAC Sympo. on Intelligent Autonomous Vehicles, pp. 265~270, 2001.

Takanori Suzuki, Shinkichi Inagaki, Hideo Yuasa, Tamio Arai: “Fault-Tolerance for Autonomous Decentralized Multi-Legged Robot System,” The 7th International Conf. on Intelligent Autonomous Systems, pp. 325~332, 2002.