ホロニック組立システム
（新井教授・前田助手）
ホロニック組立システム（動画：MPEG）
現在，生産の形態は大量生産から多品種少量生産へと変わりつつある．従来の集中管理型の生産システムは，耐故障性，汎用性，あるいは動的な生産計画への対応力といった“柔軟性”に欠けるため，高い柔軟性を備えた自律分散型の生産システムが研究されている．本研究室では，IMS (Intelligent Manufacturing Systems)のホロニック生産システムプロジェクトに参加し，ホロンの概念に基づくホロニック組立システムを提案している．
ホロンは自律性と協調性を兼ね備えたシステム要素であり，ホラーキーと呼ばれる階層型の制御構造を形成する．本システムでは，生産管理ホロン，および機器に対応する実行ホロンがホラーキーを形成する (Fig. 1)．頂点のタスクホロンが製品の生産を命令されると，命令は分解を繰り返されつつ下位の階層へと受け渡される．生産管理層の末端であるオペレーションホロンは，契約ネットプロトコルに基づく交渉によって実行ホロンを確保し，部品の移動あるいは挿入などの作業を機器に遂行させる．提案システムは組立セルとして実装されている (Fig. 2)．また，システムの自律分散的構造を利用して，機器の追加 (Fig. 3)・削除などシステムの容易な物理的再構成を可能にする機能 “Plug & Produce” の実現を目指しており，機器の追加時に必要な，物理的干渉の分散的解決手法，機器間相互位置の自動キャリブレーション(Fig. 4) などの研究も進めている．
Keywords: Holon, Holarchy, Assembly, Manufacturing Systems, Plug & Produce
References
Tamio Arai, Yasumichi Aiyama, Masao Sugi, Jun Ota: “Holonic assembly system with Plug and Produce,” Computers in Industry, Vol. 46, No. 3, pp. 289~299, 2001.
Masao SUGI, Yusuke MAEDA, Yasumichi AIYAMA and Tamio ARAI: “Holonic Robot System: A Flexible Assembly System with High Reconfigurability,” Proc. of 2001 IEEE Int. Conf. on Robotics and Automation, pp. 799-805, 2001.
T. Arai, Y. Maeda, H. Kikuchi, M. Sugi: “Automated Calibration of Robot Coordinates for Reconfigurable Assembly Systems, Annals of the CIRP, Vol. 51, No. 1, 2002 (to appear).
Fig. 1 Holarchy for Holonic
Assembly Cell
Fig. 2 Holonic Assembly
Cell
Fig. 3 Plug-in of a New
Device
Fig. 4 Automated
Calibration System for Plug & Produce