荷重測定による環境推測を用いた協調押し作業の達成法

本研究では,群ロボットによる協調押し操作の実行中に,力センサを用いて未知障害物と搬送物との接触状態を推測する手法を議論した.ロボットの可搬重量を越える状態が生じた場合に回避行動を取り入れて,作業の継続を確保する.移動ロボットの協調作業問題では,環境の変化,ロボット移動誤差の蓄積などにより,途中で作業計画を変更しないと作業を続行できない場合がある.作業環境の変化に対応しながらロボットを制御するために,周辺環境を定量的に見積り,作業を継続する方法を判断する構造が必要である.

Fig.1のような状況で目的地に対象物を運ぶことを考える.ロボットは力センサを持ち,自身にかかる荷重を計測する.これとデッドレコニングによる位置・姿勢情報から対象物との接触点,対象物に働く外力とその作用点が求められる.この条件下で押し作業を実行させる.搬送作業中に各ロボットにかかる荷重が制限値内であればそのまま搬送を続ける.対象物が未知障害物に遭遇したとき,上記の情報から対象物と環境との接触状況が直線の式として求まる(Fig.2).この直線と対象物の境界線との交点が接触点である.回避行動の際に進む経路は,障害物が存在すると予測される地域を避けた最短経路にするのが最良の選択となる.これがロボットの回避行動である.

実験で使用するロボットをFig.3に示す.ロボット本体には,力センサを付加したエンドイフェクタを装備する.このシステムを使い,ロボット2台で接触点推定実験を行った.この結果を踏まえて推定値に補正を行い,回避行動が行えることを確かめた(Fig.4)

Keywords: Cooperative Sensing, Mobile Robots, Estimation

参考文献

  1. J.Sasaki, J.Ota, Y.Aiyama, T.Arai: "Optimal Arrangement for Handling Unknown Objects by Cooperative Mobile Robots", Proc. kof the 1996 IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robot and Systems, pp. 112-117, 1996
  2. 佐々木順,今西順一,山下淳,相山康道,太田順,新井民夫:「荷重測定による環境推測を用いた協調押し作業の達成法」,1994年度精密工学会春季大会学術講演会講演論文集, 1994.
 
Fig. 1 Problem Settlement     Fig. 2 Estimating Contact Point
 
Fig. 3 Experimental System                                  Fig. 4 Result of Avoidance